協力/施工 | 施工:新津組 構造:山辺構造設計事務所 エヌ・シー・エヌ 設備:テーテンス事務所 |
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規模 | 敷地面積:24,319.56㎡ 建築面積:3,038.69㎡ 延床面積:4,859.91㎡ |
受賞 | 2016 シカゴ・アテネウム・建築とデザイン ミュージアムグリーン・グッドデザイン賞 |
掲載 | 新建築2019年3月号 新建築2015年6月号 |
インターナショナルスクールオブアジア軽井沢 ISAK (現UWC ISAK)
「あさまテラスの学びの家」
投資家 谷家衛さんが長い間あたためていた構想のもとに、わずか数人でスタートしたプロジェクトでした。
一回だけの人生(ONE LIFE)を思いきり自分がやりたいことをやる人生という谷家さん、その思いがこの学校の基本でした。日本の管理型教育ではない、のびのびと自己の人生を思いっきり生きていく子供を育てる全寮制のインターナショナルスクールです。
鈴木エドワードそして現在のESA共同代表 高橋Suzuki百合子もそのなかにいました。
谷家さんファミリーがESA設計の碑文谷ガーデン(集合住宅)にお住まいで、とにかくそのデザインと暮らしやすさを気に入っていたこと、また同じくESA設計の西町インターナショナルスクールの空間の使い方を評価して頂き、実現するときにはぜひ校舎の設計をと熱い思いと共にご依頼いただきました。
谷家さんの構想に強い共感を抱いた鈴木エドワードが、妻の百合子と共に、学校づくりに参画しました。1週間に2~3回、当時西麻布にあった当ESA事務所に夜な夜な集まり、どんな子供を育てたいのか、どんな理念にするのか、はたまたどうやって資金を集めるか・・等々、熱い討議の日々でした。
その後、多くの企業経営者らの協力と寄付により2014年秋に開校、日本で初めて文科省認可を受けた全寮制(男女共学)の一条校国際高校です。72カ国から集まる190名の生徒が在籍しています。
国際バカロレア(IB)カリキュラムを核に据え、多様なバックグランドの生徒がさまざまな個性と能力を持ち寄り互いに高め合う生活も学び場と考え、共同生活を送っています。
中軽井沢駅から10kmほど、浅間山の麓、標高1,100mの緩やかな南斜面のカラマツ林に隣接した豊かな自然環境です。開校当時、決して広いとは言えない敷地そして予算であったためもあり、寮のリビングやダイニングは教室としても使用し、校舎のダイニングテラスは学びの場に、廊下に至っては音楽やアートの自習ペースとしても使用するなど、「LEARNNING EVERYWHERE(すべての場所は学びの場)」コンセプトとして設計をしました。
限られた内外の空間を最大限活用し、どの場所もフレキシビリティのある空間となるよう計画しました。人に優しくかつ安心・安全を念頭に、木材(集成材)に接合金物を使い補強し筋交いをなくした木造軸組工法(SE構法)を採用。また、校舎の内装では構造材をそのまま現し、極力仕上げの不要な素材を使うことで工事期間の短縮と想定コストを大きく削減、振り返っても奇跡のようだとその後長きにわたって大きな評価をいただき続けました。
限られた時間と予算の中、学校関係者やファウンダーの皆さまに喜ばれたことは言うまでもありません。ESAとしてこのプロジェクトの一翼を担えたこと、鈴木はじめ所員一同の大きな誇りです。