「人間は幸せになるために生きているのだと思います。私にとって幸せとは、日々の小さな感動の積み重ねです。どんな種類の建物であろうと、住まい手や使い手が、そこにいるだけで幸せ感を持てるよう考えぬいたデザインを心がけています」 by 鈴木エドワード
1977年創設以来、数々の作品を世に出してきましたが、一貫して守り続けたのは「幸せは小さな感動の積み重ね」。 建築デザインはいつも、設計者のエゴではなく、使い手の心地よさだけに向かう。 これが鈴木エドワード建築設計事務所(以下、ESA)のルールでした。
例えば、酷暑の夏、クーラーが効いている部屋は心地いい、けれど、緑陰の涼風が吹き抜ける幸せには遠く及ばない、めざすのは本質的な心地よさ、しあわせ、これが鈴木そしてESAの考えです。
ではこの緑陰の涼風、本質的な心地よさはどのようにつくられるのでしょうか。
ここにサスティナビリティという答えがあります。
江戸時代の日本は、持続可能な暮らしがあたりまえでした。
そして、そこには大きな知恵がありました。
鈴木エドワードは、インターナショナルスクールで教育を受け、大学、大学院と、米国とイタリアで学びました。このことが、西欧の目を通した日本的なるモノとコトに気づき、日本の伝統的なサスティナビリティ建築のすばらしさを多くの日本人よりも理解し、積極的にとり入れることにつながったのかもしれません。
「鈴木エドワードの建築は、常に自然そして風土と呼吸した美しさに彩られている。欧米のモダニズムと一線を画した環境革命の時代の先駆的デザインであり、空間を建築という狭いカテゴリーに押し込めぬ創造性にチャレンジしている氏に、造園家として心からの尊敬の念を抱いている」
涌井史郎(雅之) 東京都市大学教授 岐阜県立森林文化アカデミー学長